ウィルソン・コンバット(Wilson Combat)
プロフェッショナルに認められたカスタムガンの老舗ブランド
ウィルソン・コンバット(Wilson Combat)とはアメリカ・アーカンソー州に本拠を置くカスタムガンメーカーだ。元々時計職人であったビル・ウィルソン(Bill Wilson)が自身の時計宝石店の本業の傍ら始めた、1974年の創業の小さな銃砲店「Wilson’s Gun Shop」が前身となる。
1977年から1911A1やS&W M10、シングルアクションのルガーリボルバーのカスタマイズを始めたビル・ウィルソンは、当初既成のアフターパーツを使用したカスタムを行っていたが、評判が高まるにつれ自身でもカスタムパーツを製作し始め1983年には自社パーツを、さらに1996年には完全自社パーツで製造されたM1911ピストルをリリースするようになる。
小さな小売店から始まったウィルソン・コンバットは、今でも創業当時から取り扱っているカスタムM1911を主軸商品としながらも、数多くのハンドガンやショットガン、ライフルのカスタム及び製作、弾薬製造まで幅広く取り扱う企業となっており、民間のみならずミリタリーから法執行機関まで幅広いニーズに応える銃器ブランドへと成長している。
代名詞とも言えるカスタムM1911ピストル
現在でも製造・運用されているハンドガンとしては長い歴史を持つM1911は、アメリカ軍での制式ピストル時代から大量の納入に対応するべく開発元のコルト以外のメーカーも製造し多くのバリエーションが存在するが、コルト社の特許が切れた現在では多くのメーカーによって様々なデザインやサイズで多くのモデルが製造されている。
ウィルソン・コンバットもそんなM1911メーカーの1つとして有名になった。当初はカスタムのみの対応であったものの、評判の高さから次第にパーツ製作、本体製作と手を広げていった結果、現在でもM1911は同社のメインプロダクトであり代名詞とも言える存在となっている。その方向性は実用性を重視した硬派なプロフェッショナルモデルから、美しいエングレービングやヘアライン仕上げとウッドグリップのスーパーグレードモデルまであり、現代M1911を体現するメーカーと言える。
45口径ピストルはアメリカ軍の一部の特殊部隊隊員にいまだに好んで使われており、デルタフォースやSEALsでもコルト以外のM1911使用例としてウィルソン・コンバットの名が挙がっている。
現代のニーズに合ったラインナップ
ウィルソン・コンバットの得意とする分野はM1911に限定されたものではない。ピストルカスタムから始まった同社の歴史に固執することなく様々な銃器に対し柔軟に開発を進めた結果、ウィルソン・コンバットは様々なジャンルで高い品質の銃器を製造するメーカーとして現場のプロから愛好家のシューターまで広く受け入れられている。
ハンドガンではベレッタ92のような金属フレームからGLOCKやP320のようなポリマーフレームオートまで、ライフルもロングレンジ向けからAR-15のカービンモデル、最近流行のピストルカービンまで幅広い。レガシーモデルでも最新モデルでも、種類を選ばないラインナップが強みである。2000年にはScattergun Technologiesを買収しショットガンの分野にも進出している。
ウィルソン・コンバットはカスタムブランドとしてのスタンスを変えてはおらず、銃本体だけでなくカスタムパーツの製造やサプレッサーの製造もしている。ウィルソン・コンバットによってフルカスタムされた銃器だけでなく、カスタムパーツ単体でも人気があるブランドである。
数は少ないがエアソフト用でもエアガンや再現パーツがリリースされており、玄人向けに密かな注目を浴びるカスタムである。
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